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東京高等裁判所 平成2年(行コ)6号 判決

控訴人(原告) 矢野三千男

被控訴人(被告) 小松崎軍次 外一名

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人らは、東京都江東区に対し、連帯して金二六三〇万円及びこれに対する被控訴人小松崎軍次については平成元年二月四日から、被控訴人山内重昭については同月八日から、支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

3  訴訟費用は、第一、第二審とも被控訴人らの連帯負担とする。

4  仮執行の宣言。

二  被控訴人ら

主文同旨

第二当事者の主張

当事者双方の主張は、次のとおり訂正、削除するほかは、原判決事実摘示「第二 当事者の主張」欄の記載のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決二枚目裏三行目の「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、同四行目の「住吉、毛利地区」を「住吉一丁目及び毛利一丁目地区」にそれぞれ改める。

2  同六枚目表八行目の「被告小松崎軍次」を「被控訴人小松崎」に改め、同一〇行目の「重昭」を削る。

第三証拠関係〈省略〉

理由

一  当裁判所も、控訴人の被控訴人山内に対する請求は不適法としてこれを却下すべきであり、被控訴人小松崎に対する請求は理由がなくこれを棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加、訂正するほかは、原判決の理由説示のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決一〇枚目裏八行目の「拠もない」の次に「(なお、成立に争いがない甲第一三六号証の一、二、第一三七、第一三八号証、乙第一ないし第四号証、弁論の全趣旨によれば、本件再開発事業の基本計画策定に係る委託契約は、区長の被控訴人小松崎が締結したこと、本件再開発事業に伴う都市計画決定に要する図書に係る委託契約は、金額が一〇〇万円以上五〇〇万円未満の範囲にあるため、東京都江東区契約事務規則三条の二、別表総務部長の欄6に基づき委任を受けた総務部長が締結したこと、本件再開発事業に関する再開発コンサルタント派遣は、江東区まちづくり専門員設置要綱三条に基づき同区長がまちづくり専門員を選任してなされたもので、その報酬に係る支出負担行為は、区長の権限事項であり、東京都江東区予算事務規則四条に基づき、所管部の長である都市整備部長(被控訴人山内)が事務分掌としてこれを行ったこと、また、これらの支出命令は、東京都江東区会計事務規則六条一項に基づき委任された都市整備課長が行ったこと、以上の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。そうすると、被控訴人山内は、本件の各財務会計上の行為のうち自ら関与したものについては、その財務会計上の権限はなく、事務執行の補助者として関与したに過ぎないものである。)」を加える。

2  同一一枚目裏三行目、六行目及び一〇行目のの各「被告」を「被控訴人小松崎」に改める。

3  同一四枚目表一〇行目の「しかし、」の次に「成立に争いがない甲第一二五号証、原本の存在及びその成立に争いがない甲第一号証の一並びに」を加える。

4  同裏一行目の「著しく、」の次に「かつ、三階建一七棟(二九四戸)の住宅規模が約二〇ないし三〇平方メートルと狭いものであり、」を加える。

二  よって、これと同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 越山安久 赤塚信雄 桐ヶ谷敬三)

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